絵本とバイリンガル子育てのペリカン文庫

子育てを通して出会った絵本や英語の教材を紹介します。 バイリンガル教育のヒントにもどうぞ。

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子どもへの目線

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子どもたちへの手紙 C.S.ルイス

夫と私はC.S.ルイスが好きだという話しを独身時代したことがあるのですが、私はナルニアシリーズが好きだったので彼をもっぱら児童文学作家ととらえていました。でも結婚して夫の本棚をみると、C.Sルイスの本がたくさんありましたが、キリスト教哲学的なシリーズがズラリ。ハードル高っと思いつつ、私のナルニアシリーズと並べてみると、ルイスの世界観が良く表されていて、彼の人となりに興味がわきました。そして夫のキリスト教哲学シリーズの中にかわいらしいタイトルのこの本が。思わず手に取りました。

この本はタイトル通り、ルイスが子どもたち宛に書いた手紙をまとめたものです。彼が名付け親になった子どもへ、ナルニアの読者である世界中の子どもたちへ、たくさんの手紙を書いています。その量にも驚くところですが、そのきめ細かく真摯な内容に心が動されます。ナルニアの読者である子どもたちからの感想や質問、それは時折作品に対する疑問や不満も含んでいるのですが、それに対しても丁寧に答えています。また子どもたちが手紙に同封した彼らの書いた物語に対しても、良かったところだけでなく改善点も含めて感想を書いています。それはちゃんと子どもたちの作品を読んだからこそできる評価です。

ルイスは大学教授でもあるのですが、子どもたちに上から教えるような態度ではありません。また、楽しませようとか好かれようとかでへつらうこともありません。実にその目線が対等で、一人格として子どもたちを扱い、向き合っている姿に私は感銘を受けました。

それは彼と結婚相手の連れ子である息子たちとの良い関係性にも表れています。まえがきに、息子の一人ダグラスがルイスについて書いています。彼らは友情を育み、その絆はダグラスの母でありルイスの妻であるジョイが亡くなった後にさらに強くなったと書かれています。ジョイはルイスと結婚して4年後に亡くなっています。

子どもは賢いです。誰もが子どもの頃、子どもだからという理由で小ばかにしたり持ち上げたりする大人の態度に違和感を覚えたことがあると思います。私はよくニュースで子どもにインタビューするインタビュアーの態度に「子どもをバカにするな~!」と怒っています(笑)

私もルイスのような目線で子どもたちに向き合いたいなぁといつも思います。それを教えてくれたこの本は実は優れた育児書でもあると思うのですが、なかなかそこまで理解してもらえなくて(笑)今回こうして書けてよかったです。