絵本とバイリンガル子育てのペリカン文庫

子育てを通して出会った絵本や英語の教材を紹介します。 バイリンガル教育のヒントにもどうぞ。

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Curious Georgeに思うこと

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The Journey That Saved Curious George: The True Wartime Escape of Margret and H.A. Rey  by Louise Borden *翻訳版あり

 

おさるのジョージの作者のH.A.レイとマーガレットがユダヤ人で、第二次世界大戦中にナチスの迫害を逃れアメリカに移住したということは割りと知られています。でもこの本ではその道のりがいかにギリギリだったか、そして二人と一緒に実は世に出る前のジョージも旅していたことを知ることができます。

また二人の生い立ちやキャラクターについても書かれていて、性格の違うイラストのレイとストーリーのマーガレットがいかにベストコンビだったかが分かります。ドイツからブラジルへ渡り、いつか好きな絵の仕事をしたいと思いながらも毎日デスクワークをして何年も経っていたレイ。そこに何か新しいことをしたい!と知り合いだったレイのところに押しかけてきた活発なマーガレット。彼女がレイを励まし二人でデザイン会社を起こすところから数々の名作を生み出すコンビがスタートしました。

その後二人は結婚し、新婚旅行で行ったパリが気に入りそのままそこで暮し始めます。そしておさるのジョージの原案、フィフィを描いているところにナチスのフランス侵攻が起き二人はヨーロッパを脱出することに。まずパリから自転車でポルトガルの港を目指しました。NYまでの道のりの遠いこと!

二人の人生は、まるでおさるのジョージのおはなしみたいです。私はジョージのおはなしを読むたびに、話が逸れるというか寄り道が多いなぁと思っていました。自転車に乗ってるのに新聞紙でボートづくり(それもおり方解説つき!)が始まったり、ロケットに乗りに行くはずなのにそこへはなかなか行きつかないとか。いつも話しがあちこちへ飛び、そのたびに出会いもたくさん。それはこの二人の新しいことしたい!と南米に渡り、新婚旅行のパリが気に入って住み続けたりするところ、そしてこの脱出の旅路、すべてが反映されているように思いました。