絵本とバイリンガル子育てのペリカン文庫

子育てを通して出会った絵本や英語の教材を紹介します。 バイリンガル教育のヒントにもどうぞ。

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My favorite Beatrix Potter series (1)

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ピーターラビットでおなじみのBeatrix Potter は動物を主人公にしたたくさんのお話しを書いています。その中で少々マイナーながらも我が家のお気に入りをご紹介します。

ベンジャミンバニーのおはなし 「クールなお父さん」

世界で一番有名なうさぎとも言えるピーターラビットにはいとこがいるんです。それがこの ベンジャミンバニーです。このおはなしはピーターがマグレガーさんの畑に忍び込んであわや捕まってパイにされそうになった”ピータラビットのおはなし”の続編といえるものです。前のお話でピーターは命からがらマグレガーさんの畑から逃げ出して、家に着いた時には熱をだして寝込むことになりました。今ピーターは少し元気になりましたが、マグレガーさんの畑にお母さんが着せてくれた一張羅の洋服をおいてきてしまい(それはかかしの洋服にされています)洋服がないので、ハンカチにくるまって落ち込んでいます。

そんなピーターの所へコッソリとベンジャミンバニーがやってきて、一緒に取り返しに行こうと誘うのです。ああ男の子だなぁと思います(笑)

天敵のマグレガーさん夫妻が馬車で出かけたのはベンジャミンが確認済みです。二匹は畑にむかいます。目的の洋服は早々に取り返すことができたのに、ベンジャミンは早く帰りたがるピーターを横目にゆうゆうと畑を歩き回り、ピーターがくるまっていたハンカチに野菜を詰めたりしています。

ところが二匹はばったりと猫に遭遇してしまうのです。あわててカゴの中に逃げ込みますが、なんと猫はその上に座り込んで二匹を閉じ込めてしまいます。5時間も!

さてそこにベンジャミンのお父さん、ベンジャミンバニー氏が登場します。我が家は(というより私かしら)このお父さんの大ファンです。きっちりとした身なりにパイプをくわえ、悠然な面持ちで子どもたちを探しにきたかと思うと、あっという間に塀の上から猫に飛びかかり猫をかごから突き落とし、温室に蹴り込んんで閉じ込めてしまいます。その後、しっかり二匹を叱り、ハンカチに包んだ野菜を持って畑にを後にします。子供のピンチを救い、しっかり叱る。まさにクールなお父さんです。

私はバニー氏が甥のピーターも自分の息子と同じように叱っているところが好きです。と言うのも、ピーターの家はお父さんがマグレガーさんにつかまって奥さんにパイにされたせいで母子家庭です。しっかり者で働き者のお母さんは手芸品やタバコを売ったりしながら4匹の子供達を立派に育てていますが、ピーターはこれまたしっかり者の姉うさぎたちとお母さんに囲まれて、少々世話を焼かれ過ぎな感じなのです。おはなしの中でも、熱を出して以来いつまでもお母さんに煎じ薬を飲まされてうんざりしているくだりがあります(それに使うハーブはいつもお姉さんたちが採ってきます)。ピーターにはやはり男性としてのロールモデルが必要で、それをおじさんのベンジャミンバニー氏がしっかりと果たしてくれているからです。

ピーターとベンジャミン、彼らのその後の成長ぶりは、べつのおはなし”フロプシーのこどもたち”で見ることができます。2匹は独立して結婚もして今度は家族を見守るお父さんになっています。